スマイラフについて

スマイラフについて(概要、作用機序)

スマイラフとは

関節リウマチ(RA)は、関節滑膜の破壊を特徴とする慢性、全身性の炎症性自己免疫疾患であり、不可逆的な骨破壊を引き起こし、疼痛のみならず、機能障害により日常生活の障害、そして生活の質の低下をもたらします1,2)。日本におけるRAの有病率は約0.3~0.5%と推定されており、女性が男性の約5倍と多く、発症のピークは40~50歳の働き盛りの女性であることから3)、家族を含めての精神的、社会的問題、併せて国家の経済的損失も大きな問題となっています4)

RAの治療は、古くは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と副腎皮質ステロイドによる疼痛と炎症のコントロールを中心として、そこに疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)が組み合わされてきました。メトトレキサートのRAへの適応及び腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤をはじめとした生物学的製剤の登場により、RAの治療は飛躍的に向上し、関節破壊の抑制も認められるようになりました。一方、生物学的製剤は注射製剤であり患者への侵襲があること、治療期間中に抗薬物抗体の生成などにより効果が消失する患者が認められることから5)、生物学的製剤に劣らない有効性を持ち、経口投与可能な抗リウマチ薬の開発が行われています。その一つがRAに関与する炎症性サイトカインのシグナル伝達経路を標的とするヤヌスキナーゼ(Janus Kinase:JAK)阻害剤です6)
JAK阻害剤としては、トファシチニブが2012年に米国にて「メトトレキサートが十分に奏効しない、若しくは忍容性のない中等度及び重度のRA患者」を適応として承認され、2013年には日本で「既存治療で効果不十分なRA」に対して製造販売承認を取得しています。2剤目であるバリシチニブも日本において2017年に製造販売承認を取得しています。2016年、欧州リウマチ学会(EULAR)にて改訂された抗リウマチ薬によるRA治療推奨においても、メトトレキサートが十分に奏効しないかつ予後不良因子がある場合、JAK阻害剤はRA治療の選択肢の一つとして推奨されています7)

スマイラフ錠(以下本剤、一般名:ペフィシチニブ臭化水素酸塩)はアステラス製薬株式会社が創製したJAK阻害剤です。本剤はJAK1、JAK2、JAK3及びチロシンキナーゼ2(TYK2)のいずれのJAKファミリーにも阻害活性を有し、インターロイキン(IL)-2をはじめとする各種サイトカインのシグナル伝達を阻害し、T細胞の増殖やインターフェロン(IFN)-γ、TNF-α等のRAの病因に関わる炎症性サイトカインの産生を抑制するもので、RA患者における有効性が期待できると考えられました。国内における臨床試験が2009年から開始され、その結果、本剤のRA治療に関する有効性及び安全性が確認されたことから、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とし、2019年3月、製造販売承認されました。

  1. 1)中島 敦夫:内科 2009;103(4):655-659
  2. 2)O'Dell JR:N Engl J Med 2004;350(25):2591-2602
  3. 3)三浦 靖史:理学療法ジャーナル 2012;46(9):857-863
  4. 4)厚生労働省研究班編:関節リウマチの診療マニュアル(改訂版)-診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン-2004 日本リウマチ財団
  5. 5)Alzabin S et al.:Ann Rheum Dis 2012;71(10):1741-1748
  6. 6)山岡 邦宏:日本臨床免疫学会会誌 2012;35(2):112-117
  7. 7)Smolen JS et al.:Ann Rheum Dis 2017;76(6):960-977

効能・効果

既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。

用法・用量

通常、成人にはペフィシチニブとして150mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

  1. (1) 中等度の肝機能障害を有する患者に投与する場合には、血中濃度が高くなり、副作用が強くあらわれるおそれがある。これらの患者に投与する場合は、本剤の有効性及び安全性を十分に理解し、本剤投与の必要性を慎重に検討した上で、本剤50mg1日1回投与とすること。なお、十分な治療反応が得られない場合は、本剤の投与継続の必要性を検討すること。(「慎重投与」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
  2. (2) 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF阻害剤、IL-6阻害剤、T細胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、他のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこと。なお、これらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない。
添付文書

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