ご処方にあたって

スマイラフ投与開始時の確認事項

用法・用量

通常、成人にはペフィシチニブとして150mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

  1. (1) 中等度の肝機能障害を有する患者に投与する場合には、血中濃度が高くなり、副作用が強くあらわれるおそれがある。これらの患者に投与する場合は、本剤の有効性及び安全性を十分に理解し、本剤投与の必要性を慎重に検討した上で、本剤50mg1日1回投与とすること。なお、十分な治療反応が得られない場合は、本剤の投与継続の必要性を検討すること。(「慎重投与」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)
  2. (2) 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF阻害剤、IL-6阻害剤、T細胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、他のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこと。なお、これらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない。

肝機能障害の程度別の用法・用量

肝機能障害の程度 用法・用量
正常・軽度 1日1回 150mg(患者の状態に応じて100mg)
中等度 1日1回 50mg
重度 投与しない(禁忌)

肝機能障害の程度がペフィシチニブの薬物動態に及ぼす影響

日本国内の肝機能障害患者を対象に、本剤150mg空腹時単回経口投与時のペフィシチニブ薬物動態への肝機能低下の影響を検討しました[肝機能障害患者試験(CL-PK10)]。肝機能正常被験者に対する軽度肝機能障害患者ならびに中等度肝機能障害患者のCmax、AUCinfの幾何平均比は以下の通りであり、中等度肝機能障害患者では肝機能正常被験者に比べてCmaxが82.4%、AUCinfが92.3%それぞれ上昇しました。以上より、中等度肝機能障害患者では、本剤の有効性及び安全性を十分に理解し、本剤投与の必要性を慎重に検討した上で、本剤50mg1日1回投与としてください。なお、重度肝機能障害患者では、本剤の投与は禁忌です。

肝機能障害患者におけるペフィシチニブ薬物動態パラメータ:肝機能障害患者試験(CL-PK10)

薬物動態
パラメータ
比較 幾何平均比 90%信頼区間
(下限,上限)
Cmax 軽度肝機能障害患者*/肝機能正常被験者 1.039 0.705, 1.531
AUCinf 1.185 0.857, 1.638
Cmax 中等度肝機能障害患者/肝機能正常被験者 1.824 1.238, 2.686
AUCinf 1.923 1.391, 2.658
  • *:軽度肝機能障害患者:Child-Pugh分類A、スコア5~6
  • †:中等度肝機能障害患者:Child-Pugh分類B、スコア7~9

肝機能障害患者試験(CL-PK10)

  • 対象:日本国内の肝機能正常被験者ならびに肝機能障害(軽度・中等度)患者24例(各8例)
  • 方法:本剤150mgを空腹時に単回経口投与し、ペフィシチニブ薬物動態への肝機能低下の影響を検討。第Ⅰ相非盲検並行群間比較試験。

腎機能障害の程度がペフィシチニブの薬物動態に及ぼす影響

日本国内の腎機能障害患者を対象に、本剤150mg空腹時単回経口投与時のペフィシチニブ薬物動態への腎機能低下の影響を検討しました[腎機能障害患者試験(CL-PK11)]。腎機能正常被験者に対する腎機能障害(軽度・中等度・重度)患者のCmax、AUCinfの幾何平均比は以下の通りでした。

腎機能障害者におけるペフィシチニブ薬物動態パラメータ:腎機能障害患者試験(CL-PK11)

薬物動態パラメータ 比較 幾何平均比 90%信頼区間
(下限,上限)
Cmax 軽度腎機能障害患者*/
腎機能正常被験者
0.896 0.595, 1.349
AUCinf 0.873 0.610, 1.250
Cmax 中等度腎機能障害患者/
腎機能正常被験者
0.783 0.520, 1.179
AUCinf 0.831 0.581, 1.190
Cmax 重度腎機能障害患者/
腎機能正常被験者
0.783 0.513, 1.197
AUCinf 1.087 0.738, 1.602
  • *:軽度腎機能障害患者:推定糸球体濾過量(eGFR) 60~90mL/min/1.73m2未満
  • †:中等度腎機能障害患者:eGFR 30~60mL/min/1.73m2未満
  • ‡:重度腎機能障害患者:eGFR 15~30mL/min/1.73m2未満

腎機能障害患者試験(CL-PK11)

  • 対象:日本国内の腎機能正常被験者(8例)ならびに腎機能障害(軽度8例・中等度8例・重度7例)患者の計31例
  • 方法:本剤150mgを空腹時に単回経口投与し、ペフィシチニブ薬物動態への腎機能低下の影響を検討。第Ⅰ相非盲検並行群間比較試験。

高齢者への投与

第II/Ⅲ相試験(後期第Ⅱ相試験:CL-RAJ1、第Ⅲ相試験:CL-RAJ3、CL-RAJ4、継続投与試験:CL-RAJ2)併合解析における本剤投与全例での年齢別の重篤な感染症の発現率を検討しました。重篤な感染症の発現率(95%信頼区間)は、65歳未満の患者集団で1.9(1.4,2.6)/100人・年、65歳以上の患者集団で4.7(3.1,7.0)/100人・年と、65歳以上の患者集団で重篤な感染症の発現率の上昇が認められました。
一般に、高齢者では生理機能が低下します。重篤な感染症の発現率の上昇が認められるため、用量に留意して、状態を観察しながら慎重に投与してください。

:本剤の臨床的安全性解析では、各試験の安全性データ及び併合した安全性データを使用
:プラセボ投与から本剤投与へ切り替えた後の発現を含む

本剤投与全例における年齢別の重篤な感染症の曝露量あたりの発現率(サブグループ解析):第Ⅱ/Ⅲ相試験併合解析(安全性解析対象集団)

併合解析集団 サブグループ因子 曝露量 (人・年) 発現例数 100人・年あたりの発現率 (95%信頼区間)
第II/III相試験併合 65歳未満 1797.4 34 1.9 (1.4,2.6)
65歳以上 493.4 23 4.7 (3.1,7.0)
  • †:プラセボ投与から本剤投与へ切り替えた後の発現を含む

用量別の副作用:第Ⅲ相試験併合解析(全期間)(安全性解析対象集団)

第Ⅲ相試験(CL-RAJ3、CL-RAJ4)併合解析(全期間)における副作用発現割合は、本剤100mg群で65.1%(181/278例)、150mg群で67.4%(186/276例)でした。

:本剤の臨床的安全性解析では、各試験の安全性データ及び併合した安全性データを使用

用量別副作用発現割合:第Ⅲ相試験併合解析(全期間)(安全性解析対象集団)

  ペフィシチニブ
100mg(n=278) 150mg(n=276)
副作用 181(65.1%) 186(67.4%)
重篤な副作用 13(4.7%) 11(4.0%)
中止に至った副作用 14(5.0%) 15(5.4%)
中止に至った重篤な副作用 7(2.5%) 4(1.4%)
  • 発現例数(割合)

空腹時投与及び食後投与の薬物動態

日本国内の健康成人を対象に、本剤150mg(小型化製剤)単回経口投与時のペフィシチニブ薬物動態に及ぼす食事の影響を検討しました[食事の影響試験(CL-PK12)]。食後投与は空腹時投与と比較して曝露量が増加し、Cmaxが56.4%、AUClastが36.8%それぞれ上昇しました。以上より、本剤は食後に投与してください。

薬物動態パラメータの用法間比較:食事の影響試験(CL-PK12)

薬物動態パラメータ 比較 幾何平均比 90%信頼区間 (下限,上限)
Cmax 食後投与/空腹時投与 1.564 1.388, 1.762
AUClast 1.368 1.227, 1.525

食事の影響試験(CL-PK12)

  • 対象:日本国内の健康成人(18例)
  • 方法:対象を空腹時投与先行群又は食後投与先行群へ各9例ずつ割り当て、本剤150mg(小型化製剤)を空腹時又は食後にクロスオーバーで単回経口投与し、ペフィシチニブ薬物動態への食事の影響を検討。第Ⅰ相無作為化非盲検2期クロスオーバー試験。

相互作用

ペフィシチニブの薬物動態に及ぼす併用薬の影響

ベラパミルのペフィシチニブ薬物動態に及ぼす影響を検討しました。ペフィシチニブはP糖蛋白(P-gp)の基質であり(in vitro試験)、P-gp阻害剤であるベラパミルの併用によりペフィシチニブのCmaxが39.2%、AUCinfが26.9%上昇しました。
メトトレキサートのペフィシチニブ薬物動態に及ぼす影響を検討しました。メトトレキサート併用投与下におけるペフィシチニブのCmax、AUC12hの幾何平均比は以下の通りでした。

ペフィシチニブの薬物動態に及ぼす併用薬の影響(外国人データ)

併用薬 併用薬投与量 ペフィシチニブ投与量 幾何平均比 (90%信頼区間)
併用/単独
Cmax AUC
ベラパミル
(p-gp阻害)
80mg
1日3回
150mg
単回
1.3919
(1.2634, 1.5334)
1.2685*
(1.2185, 1.3206)
メトトレキサート 15~25mg
週1回
100mg
1日2回
0.9195
(0.7821, 1.0809)
0.9815
(0.9104, 1.0582)
  • *:AUCinf
  • †:AUC12h

海外薬物相互作用試験(CL-PK04)(ベラパミル)(外国人データ)

  • 対象:健康成人(24例)
  • 方法:第1、12日目に本剤150mgを食後に単回経口投与、第5~14日目にベラパミル塩酸塩80mgを1日3回食後に反復経口投与し、ペフィシチニブ薬物動態へのベラパミルの影響を検討。第Ⅰ相非盲検単一順序試験。

海外薬物相互作用試験(CL-PK13)(メトトレキサート)(外国人データ)

  • 対象:関節リウマチ患者(15例)
  • 方法:第1、8日目にメトトレキサート15~25mgを食後に単回経口投与、第3~8日目に本剤100mgを1日2回食後に反復経口投与、第9日目は朝のみ本剤100mgを食後に経口投与し、ペフィシチニブ薬物動態へのメトトレキサートの影響及びメトトレキサート薬物動態へのペフィシチニブの影響を検討。第Ⅰ相非盲検単一順序試験。

併用薬の薬物動態に及ぼすペフィシチニブの影響

ペフィシチニブが併用薬の薬物動態に及ぼす影響を検討しました。ペフィシチニブはCYP3A及びCYP2CB阻害作用を有し(in vitro試験)、ペフィシチニブの併用によりCYP3A基質であるミダゾラムのCmaxが13.3%、AUCinfが37.0%それぞれ増加しました。
そのほか、メトトレキサートをはじめとする併用薬の単独投与に対するペフィシチニブのCmax、AUCの幾何平均化は以下の通りでした。

併用薬の薬物動態に及ぼすペフィシチニブの影響(外国人データを含む)

併用薬 併用薬
投与量
ペフィシチニブ
投与量
幾何平均比 (90%信頼区間)
併用/単独
Cmax AUC
ミダゾラム
(CYP3A基質)
3mg注1
単回
100mg
1日2回
1.1332
(1.0595,1.2121)
1.3698
(1.2837,1.4616)
ロスバスタチン
(OATP1B1基質)
10mg
単回
150mg
1日1回
1.1484
(1.00741,1.30922)
1.1826§
(1.00386,1.39313)
メトホルミン
(OCT1、MATE1基質)
750mg
単回
150mg
1日1回
0.830
(0.786,0.876)
0.826
(0.784,0.870)
メトトレキサート 15~25mg注2
週1回
100mg
1日2回
0.9226
(0.8301,1.0254)
1.0251‡,#
(0.9287,1.1315)
ミコフェノール酸
モフェチル*, ∥
1000mg
単回
100mg
1日2回
0.9457
(0.8003,1.1175)
1.0248
(0.9619,1.0917)
タクロリムス
(CYP3A基質)
5mg注3
単回
100mg
1日2回
1.5654
(1.4038,1.7457)
1.6322
(1.5008,1.7751)
  • 注1:経口投与は国内未承認
  • 注2:国内で承認された最大投与量(1週間単位)は、16mg
  • 注3:国内で承認された用量は3mg
  • *:外国人データ
  • †:複数条件で検討しているが、もっとも影響が大きかった試験条件・結果を代表として記載
  • ‡:AUCinf
  • §:AUClast
  • ¶:Cmax/Dose
  • #:AUC/Dose
  • ∥ :活性代謝物であるミコフェノール酸としての薬物動態を評価

海外薬物相互作用試験(CL-PK05)(ミダゾラム)(外国人データ)

  • 対象:健康成人(30例)
  • 方法:対象を本剤60mg1日2回先行投与群又は100mg1日2回先行投与群に割り当て、第1、7、26日目にミダゾラム3mgを食後に単回投与、第3~7日目及び第22~26日目に本剤60mg又は100mgを1日2回食後にクロスオーバーで反復経口投与し、ミダゾラム薬物動態へのペフィシチニブの影響を検討。第Ⅰ相無作為化非盲検2期クロスオーバー試験。

海外薬物相互作用試験(CL-PK26)(ロスバスタチン)(外国人データ)

  • 対象:健康成人(24例)
  • 方法:第1、10日目にロスバスタチン10mgを食後に単回経口投与、第5~13日目に本剤150mgを1日1回食後に反復経口投与し、ロスバスタチン薬物動態へのペフィシチニブの影響を検討。第Ⅰ相非盲検単一順序試験。

薬物相互作用試験(CL-PK20)(メトホルミン)

  • 対象:日本国内の健康成人(24例)
  • 方法:第1、10日目にメトホルミン750mgを単回経口投与、第3日目に本剤150mgを食後に単回経口投与、第5~11日目に本剤150mgを1日1回反復経口投与し、メトホルミン薬物動態へのペフィシチニブの影響を検討。第Ⅰ相非盲検単一順序試験。

海外薬物相互作用試験(CL-PK01)(ミコフェノール酸モフェチル)(外国人データ)

  • 対象:健康成人(24例)
  • 方法:第1、10日目にミコフェノール酸モフェチル1000mgを食後に単回経口投与、第6~12日目に本剤100mgを1日2回食後に反復経口投与し、ミコフェノール酸モフェチル薬物動態へのペフィシチニブの影響を検討。第Ⅰ相非盲検単一順序試験。

海外薬物相互作用試験(CL-PK02)(タクロリムス)(外国人データ)

  • 対象:健康成人(24例)
  • 方法:第1、10日目にタクロリムス5mgを食後に単回経口投与、第6~12日目に本剤100mgを1日2回食後に反復経口投与し、タクロリムス薬物動態へのペフィシチニブの影響を検討。第Ⅰ相非盲検単一順序試験。

承認された用法・用量

通常、成人にはペフィシチニブとして150mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。

<用法・用量に関連する使用上の注意>(一部抜粋)

  1. (1) 中等度の肝機能障害を有する患者に投与する場合には、血中濃度が高くなり、副作用が強くあらわれるおそれがある。これらの患者に投与する場合は、本剤の有効性及び安全性を十分に理解し、本剤投与の必要性を慎重に検討した上で、本剤50mg1日1回投与とすること。なお、十分な治療反応が得られない場合は、本剤の投与継続の必要性を検討すること。(「慎重投与」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)

専門医との連携

重篤な感染症

  • 敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されています。緊急時の対応について感染症専門医等と適切な連携を行い、重篤な感染症に十分注意した上で本剤を投与してください。
  • 結核
    播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、脳髄膜、胸膜、リンパ節等)を含む結核があらわれる可能性があります。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び検査を行い、結核感染の有無を確認してください。
    結核スクリーニング検査についてはこちらをご参照ください。
    結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には呼吸器専門医等と適切な連携を行い、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与してください。
  • B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者
    生物学的製剤やJAK阻害剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されています。肝臓専門医と適切な連携を行い、適切な処置を行ってください。
    B型肝炎ウイルス検査についてはこちらをご参照ください。
添付文書

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